空調設備のマサカ①
このホームページを作ることにしたのは、小生の本を始めとする沢山のトラブル本の中から皆さんの参考になるような話を紹介することであった。版権の切れている本からの紹介はしたが、現役の本からはまともに引用するわけにはいかない。
もう一つの目的は、「マサカ」の話の連載のうち、単行本に入っていないものの紹介である。ということで、連載の129~135の「空調設備のマサカ」について述べる。本HPの「『マサカ』の話」からアクセスできないのは残念であるが、とりあえずはブログで掲載する。
始めに:(初出は2011年7月号)
東日本大震災に伴う福島原発事故の影響で、東京電力管内では今夏の供給量不足が懸念されている。したがって一斉停電や、計画停電を防ぐためには、今まで以上の省エネ活動が求められる。
ビルの省エネに関しては、各施設で既にいろいろな対応が行われているであろうが、今年の夏はより厳しい見直しが必要となろう。
空調設備の省エネ対策はいろいろあるが、設備の内容と、該当する建物・施設の、使われ方を含む負荷の特性を把握しておく必要がある。
この機会に、空調設備に関する「マサカ」の話を探ってみる。効果的な省エネを行う為には、空調設計の考え方を知る必要があり、使用上の実態とのずれを把握することも重要である。以前に述べたことと重複する点もあるが、空調設備の設計のながれと、「マサカ」のポイントについて述べる。
筆者が設計事務所の若手社員であったころは、上司は建築設計者、電気設備設計者であったので、空調・衛生設備に関する「マサカ」の認識を聞かされてびっくりしたことがよくあった。
なお設備設計に先立ち設備計画が重要であるが、省エネルギー対策はまず第一に現状設備の運用・調整(省エネチューニング)にあるので、計画については個々の項目内で触れることとする。
計画上の問題点や不具合がある場合も、改善点の把握の参考になるであろう。