空調設備のマサカ④
2023年01月16日
1.2 外気温湿度条件
空調設備設計用の外気温湿度は、国交省設計基準では、夏期4ヶ月の各時刻の危険率2.5%のTAC温度によるもので決められている。最高温湿度の値でないのは、機器容量が大きくなりすぎて無駄が生ずるためである。
- 外気温度が設計条件より1℃上がれば(下がれば)、室温は1℃上がるか(下がるか)?
専門家でない方は。冷暖房負荷についてこのようにとらえている方が多い。建物によって違うが、冷房外気負荷は全体の20~25%であり、内外温度差による外壁負荷も小さい。したがって、外気温の上昇に応じて室温が上がるということは少ない。
- 最高気温時の比エンタルピはどの程度か
平成16年7月25日12時58分、東京の最高気温39.5℃が記録された。13時の記録は38.9℃、27%で、比エンタルピ70kj/kgである。この値は、東京都の外気設計条件33.4℃、57%、比エンタルピ81kj/kgを大きく下回っている。当時チューニング調査を行っていた某デパートでは、この日はデマンド制御は作動せず、外気温度35℃の別の日に作動したとの事である。温度は話題となるが、実際の外気負荷に影響の大きい比エンタルピは話題にならないのは、ビルの冷房負荷構成にこの要因が一般的に理解されていないからであろう。 なお、空調設備のエネルギー消費量の分析を行う場合は、比エンタルピを基準とすると、省エネチューニング前後の比較が容易にわかる。