空調設備のマサカ⑪

2023年01月31日

3.ビル衛生管理法との関係

計画・設計に当って、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(ビル衛生管理法)の遵守は当然であろうが設備計画(概要)書などを書く際は、準拠する諸法規の中に列記する。

第104、105話で、建築基準法施行令の規定について述べた際に、環境測定の適合率を中心に、お話したので、東京都建築安全センターの「ビル衛生管理講習会資料平成22年度」(以降資料という)で気が付いたことについて述べる。

  • 環境測定基準について
  • 相対湿度

資料によれば、不適合率は38.6%、暖房期(12月~3月)に限れば70.6%である。これに関しては今までいろいろ述べている。これの対応としては、冷房、換気モード時での加湿回路を生かすこと、暖房時温度設定を下げることが必要であるが、105話で述べたように問題点が多い。

LED照明の採用により、照明発熱が小さくなれば、一般的には暖房モード運転となるので、不適合はある程度解決されるであろう。

 夏の省エネ対応で湿度はどうなるか?室内温度条件28℃に上げると、送風温度も上がる。したがって除湿量が減少し、室内相対湿度も上がるのでないかと心配される向きもあろうが、それほど大きな違いはない。空気線図で確かめられたい。冷房による除湿効果は大きいといえる。ただし、定風量方式の場合は、室内負荷が小さいときは吹出し温度が高くなると絶対湿度も上がるので室内の湿度が上がるのは一般的傾向であるが、28℃と26℃で相対湿度の違いは小さい。

 また、LED照明が普及すると、冷房時の室内負荷が減少して省エネにはなるが、SHF(顕熱比)が小さくなるので、相対湿度は上がることになる。夏の湿度は成り行きでほぼ満足しているが、今後は除湿制御について見直すことも考えられる。

 なお、LEDのもう一つの省エネ効果は、冷房用送風量の減少に伴う空調用送風動力の節減である。

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