空調設備のマサカ⑯

2023年02月16日

2.施工現場での設計チェック

 工事を受注した場合、設備施工業者の現場担当者が最初にしなければならないことは何か?

それは「設計図のチェック」である。この業界ではいまだに不具合が発生しても、「設計図どおりやりました」の言い訳は通らないことが多い。特に技術力が信頼されている大手のサブコンに対してはこの傾向が強い。

設計事務所OBの発言としては不穏当ではあるが、消費税にも及ばぬ設計料と、煩雑な法規制、厳しい設計期間の下で、完全に整合性のある設計図の作成など不可能なのが現実である。

従って、不具合やトラブルの発生を防ぐ第1歩が設計図のチェックである。不適切な機器容量や設計箇所の発見により、トラブルの予防ができれば、施工業者にとっては大変望ましい。また、変更提案が受け入れられなくても、記事録に記録があれば、トラブル時の施工者責任は回避できる。

もう一つの目的は、オーバースペックを見つけることである。過剰設計を適切な容量に改めることはエンジニアリング的に望ましいだけでなく、後日発生する追加・変更工事に対する減額項目になる。設計の改善にもなるので、設計者にとってもある意味では望ましいことである。

 通常は、機器発注前に詳細な抵抗計算を行っているが、施工業者のレベルが低いと、設計時点の数字その他の内容が、チェックなしにそのまま流れる。この場合は「設計図どおりやりました」といわれて、トラブル発生時に設計者が往生する。

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