マイナス思考のコマーシャル
2021年01月09日
通常のコマーシャルは、商品を手に入れることにより何らかのプラスのメリットが生じるのであるからプラス思考であると言える。この場合は商品を買うか買わないかによる精神的な負担は生じない。しかし、同じメリットでもマイナス状態が改善されるといった場合には、マイナス状態を必要以上に強調することになるので、プラスの要素に疑問があっても、商品を買わない場合のマイナス状態が気になる。
昨今、コロナの影響でエアークリーナのTVコマーシャルが増えているが、花粉、たばこの煙、ウィルス等の微細な細菌等が除去できるという物も宣伝されている。新しく開発されたもので、帯電させて吸着させるという構造になっており集塵効率が非常に良いという事である。ただし、0.〇〇マイクロメーターの塵埃を除去できると数値をあげてあるが、コロナウィルスが除去できますとまではPRしていない。
このようなコマーシャルで困るのは、このエアークリーナの必要性である。都心の排気ガスが多いようなマンションの住人なら必要であろうが、山手線の外側の住宅街の住人にとっては必要かどうかは疑問である。しかしこれを買わないといけないという脅迫されるような気分になる。マイナス思考である。
これらのコマーシャルで、使用前、使用後の塵埃量のデータを表示している物には、今の所お目にかかっていない。また、居住地域の塵埃量も不明である。したがって、この商品を購入すべきかどうかも不明と言える。
エアークリーナの効果は大いに認めるが、コマーシャルには科学的なデータを示すだけとして、不安を煽るような情緒的表現は出来るだけ止めてほしいと思う。