衛生設備のトラブル50(学芸出版社1985.07.20発行より)⑥
2022年02月03日
(12)点検口は開くもの―点検口の位置には注意を―
- いずれも若干オソマツな事例であるが、注意が必要である
- 事例①:便所にある、パイプシャフトの点検口が掃除用流しに当たって開かなかった。
- 事例②:改修工事で解体中に給水管を破損した。止水しようとしたが、バルブのあるパイプシャフトの点検口が見当たらず、出水被害が拡大し、全館用給水主弁を閉じて修繕した。
事務所内に点検口があり、書類戸棚で隠されていた。
- 事例③:床に設けた点検口が開かない。床仕上げに合わせた特注の床点検口であったが、跳ね返り音がするのでパテを詰めてあった。そのため点検口の黄銅製把手が破損した。
(コメント)対応は省略する。
(13)上手の手から水が漏る―配管の末端の仕舞に注意を―
- 水栓の取り付け壁面から漏水が多いというクレームがついた。
- 原因は、水栓座と取付壁面が平行でなく、水栓と管継手との間のパッキンに加わる圧縮力が偏り、止水性が悪くなった。
- あまりお目にかかったことのない事例なので解説をよく読んだら、コンクリート壁埋設管に水栓を取り付けた事例であった。打ち込み配管、はつり込み配管いづれの場合も、継手を壁仕上げと直角にするのは難しい。また管継手と水栓座との間隔も適正でない。
コンクリート壁埋め込みは、流水音の伝達トラブルの恐れもあり、やってはいけない。
(14)電気温水器が取り替えられない―機器交換を考えた意匠設計を―
- 電気温水器の取り換えが必要になったが、壁やドアが邪魔になって搬出できなかった。壁を解体して搬出、壁は将来も取り外しできる構造のものとした。
(コメント)ここでは、取り換えを行った設備施工業者からの、集合住宅におけるトラブル事例として解説されているが、マンション設備の設計に携わったものとしては、デベロッパー、設計者、施工者はどう対応したのか知りたいところである。