衛生設備のトラブル50(学芸出版社1985.07.20発行より)⑦

2022年02月06日

(15)スプリンクラーは水もの -単純でない法規制・変化の対応を―

  • 事例1:倉庫(延べ約2400㎥)の確認申請において、消防上無窓階と判断され、スプリンクラーの設置が必要とされた。対策としてはスプリンクラー工事費が高いこともありシャッターを10面設置して、開口面積を80㎥以上とし、消防署より有窓階と認定され、スプリンクラーは設置しないで済んだ。
  • 事例2:スプリンクラーヘッドの取り付け位置に障害が出て、クレームとなった。
  • 避難階段に設けられたスプリンクラーヘッドが、扉の開閉障害となった。
  • テナントの間仕切り工事が始まり散水障害が生じた
  • 地下街の飲食店舗のリフレッシュ工事で、ヘッドの位置変更申請を消防署に提出したが法規が改正になっており、ヘッド間隔を修正した。
  • 物販店舗でショーケースを設置したところ高さの関係で、散水障害となった。

(コメント)いずれも信じられないようなオソマツである。この著書の発行は1985年であり、スプリンクラ  ーの設置義務が強化された後であろうと思われる。従って初期故障と考えれば読者諸兄の参考となると思われる。

(16)和風大便器は危険が一杯―陶器は割れる・割られる―

  • 事例①:和風大便器のトラップ底部が施工中破損して、下階に漏水した。

    :養生カバーはあるが、後続作業に邪魔になり取り外されることが多い。そのため工具や金物を上 から落として、便器が破損されるのである。

  • 事例②:和風大便器がコンクリートの収縮によって破損した。

    :和風大便器の場合は緩衝材を巻かないとコンクリートの収縮により破損する。

  • 事例③:和風大便器洗浄弁の洗浄管が漏水した。

    :洗浄管には、排水鉛管を用い、防食テープを巻いてあったが、巻き方が悪い個所から漏水した。この場合は配管を塩ビ管に取り替えた。

(コメント)現在は新築ビルで和風大便器が設置されることは見かけることはほとんどなくなったが、当時はこのようなトラブルが多かった。この書には据え付け時の注意事項が多く述べられているが、省略する。

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