衛生設備のトラブル50(学芸出版社1985.07.20発行より)⑨
2022年02月10日
3.浴室・外壁にまつわるトラブル
- 本書に取り上げられているトラブルは、最近のトラブル本に見られるようなマタカ事例は少なく、どちらかというとマタカ以前の事例が多い。「こういう事もあるのかよ」という意味では『マサカ』のトラブル事例ともいえる。
これは、マンションの普及にともない、給排水設備の工事範囲が広まったせいかと考えられる。という事では、ある意味参考になるものと思われるので、全項とりあげるつもりである。
(19)湯沸かし器、ガス台上で、ガス中毒―燃焼済みの空気を吸って不完全燃焼を生ずる。
- ガス台の上部に壁掛け型ガス湯沸かし器を取り付ける予定になっていたが、ガス会社よりガス台上部に湯沸かし器は設置してはならないという規定があり認められないと言われた。
- 打合せの上、ガスコックは取り付けずガスプラグ止めとしたが、施主からガスコックを取り付けるよう言われた。
(コメント)ここには湯沸かし器かガスコンロのどちらかを選択してもらうしかないと、解決策が書かれていない。ガスコンロが付かなければ厨房にはならないのであるから、湯沸かし器設置位置を変えて排気または換気方式を考えるべきであった。
尚、ガス器具を設置する場合の注意事項も挙げてあるが、省略する。
(20)格好をつけると損をする―浴室まわりの機能を重視―
- 浴室の湯・水の水栓(湯屋カラン)の間隔が200㎜で取り付けられており、湯水が同時に手桶に入らない。水栓位置をタイル目地に合わせたためであった。
(コメント)最近は浴場では混合水栓やシングルレバー水栓が用いられているので、この種のトラブルはほとんどお目にかからない。
(21)バランスが崩れたバランス釜―ガス会社の基準に準拠してー
- バランス釜やガス湯沸かし器等の設置に関しては、技術基準(通称黒本)がある。本事例は、これに反して設置した場合のトラブルであるので内容については省略する。