空調設備のトラブル50④

2021年10月11日

(7)外壁でなくとも結露は生じるー計画時のちょっとした油断が結露にー

  • この事例は、外壁側をすべて断熱した美術館の階段室側の壁に結露したトラブルである。『マサカ』の話であるので、小生の著書には引用させていただいた。

(8)吹き出し口にも露が付くー冷房の風で冷えるのは室内だけではない―

  • ①ホテルのロビーで吹き出し口の額縁に結露し水滴が滴下。②百貨店の地下食料品店売り場でVHSに結露した水滴が滴下。
  • よくある話である。何れも、結露するほどの湿度の高い空気が吹き出し口まで流れてくることが問題である。ホテルのロビーの場合は出入口からの外気が回り込んできたものと考える。百貨店の場合は、何とも言えない。地下街に繋がっている場合は外気が入りやすいし、食料品売り場なので、総菜加工をしている場合は、排気の漏れが流れてくる。

この書ではそのあたりの事は記述していない。

(9)ピロティは冬寒いー暖房時床温度が低いと致命的―

  • タイトルだけでは意味不明である。正しくは「ピロティの上階は足元が冷える」である。1階がピロティの駐車場になっているビルで、直上階のテナントからのクレームである。この場合は、ピロティの天井ボード内にGW保温版を敷き込んだとの事。
  • 小生の経験ではB1F、1Fがスーパーの店舗、2Fが駐車場、3Fから8F迄が事務所ビルという建物で、3Fの当社役員の方から足元が寒いというクレームになった。今更断熱は出来ないので、その頃開発された電気ヒーターのパネルを敷いて対応した。

その後に設計した同じような事例では、断熱、二重天井とし、空調システムがP-MAC方式であったので、内部に開館の主管を展開(断熱なし)した。

  • 床下空間が外気に開放されることはよくある。設備設計者は、計画される室内の建築条件に配慮することが必要である。
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