空調設備のトラブル50⑰

2021年11月27日

(47)煙も出す吹き出し口-ダクト挿入の電気ヒーターの火災トラブル―

  • 病院の器材室にある吹き出し口から煙が吹き出し、室内に充満。煙感知器の作動により全館の非常ベルが鳴り、消防車が到着する騒ぎとなった。放水の必要もなく煙もすぐに収まった。
  • パッケージ型空調機1台で3室の冷房を行うようになっており、それぞれの系統のダクトに電気ヒーターが入っていた。
  • 原因は、冷房から暖房への切替操作時に、自動制御サービスマンが操作ミスをしたものである。煙が出るに至るまでの過程は複雑なので省略する。
  • 対策としては、安全性を考えてシステム状の対策を行った。(これも内容省略)
  • 解説では、空調設備の運転が専門職でなくても運転できるようになっていたり、無人化システムもあり、安全対策には念には念を入れるよう注意している。
  • また、電気ヒーターが使用されるケースが挙げられており、参考に転載する。

  :ダクトブースターヒーター

  :パッケージ型空調機内蔵ヒーター

  :蒸発皿式加湿器

  :冷却塔凍結防止用ヒーター

  :重油予熱器


(48)日なたぼっこのサーモスタット―サーモスタットの位置と温度不良

  • ①ペリメーターにファンコイルユニットを設置してある部屋で、晴天時に夏も冬も寒い。

②各室VAV方式の事務室で、晴天時に冷えすぎる。

③床埋め込み型の特注ファンコイルユニットを設置したが、自動制御用のサーミスタの設定温度と室内温度が2~3℃違う。(室温の方が高い)

④セントラルダクト方式の事務室で、夏冷えすぎ、冬暑すぎる。

  • (原因)①、②の事例では自動制御用のサーモスタットが、窓側の柱に設置されており、日射を受けていたためである。

③の事例ではサーミスタが、床吸い込み口部分に設置されており、コンクリート床に密接

していたため、床に低い温度を感知していた。

事例④では、還気口が各階の階段部分にあり、サーモスタットは1階の還気口に設置されてた。そのため1階の外から侵入した外気が還気口に吸い込まれたためである。

  • (対策)①、②では、サーモスタットの位置を柱の内側とした。③ではスペースの許す範囲で上にあげたが、抜本的対策になっていない。④ではサーモスタットの位置を4階に変えたが、階による温度クレームは残っている。

(コメント)サーモスタットの位置については建築設計者が口を出すことがよくあるが、機能優先で決め、デザインで決めてはいけない。


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