「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)④
・100人収容の独身寮。受水槽は1階階段下で水中ポンプの自動交互運転により屋上水槽に揚水。2年後に、夕方のピーク時に断水が発生、その回数も増えてきた。
『トラブル本のこぼれ話』事例集
・このブログの作成趣旨については『トラブル本のこぼれ話』を参照ください。
・なお、タイトル名が出典を表示しております。
・100人収容の独身寮。受水槽は1階階段下で水中ポンプの自動交互運転により屋上水槽に揚水。2年後に、夕方のピーク時に断水が発生、その回数も増えてきた。
小生手持ちの設備トラブル本から参考になる話を取上げて紹介しているが、書名だけでなく執筆者名も記さなくては失礼であるので、ここで紹介する。
【内 容】地方の大型病院の給水方式は3台の可変速ポンプによる、直送方式であった。雑用水系統は鑿井よりポンプ室床下の受水槽に貯留された。給水は必要水量に応じて台数制御と回転数制御により行っていたが、過少水量時に落水現象が発生、必要水量が増加して回転数が上がっても。キャビテーションが発生した。
・ポンプ吐出側のバルブ類の取付け順序は、ポンプ・防振継ぎ手・逆止弁・仕切弁・竪配管であるが、ゴムフレキシブルの防振継ぎ手を逆止弁・仕切弁の上に取付け、ポンプの運転・停止の度に防振継手に圧力がかかって、伸縮の繰返しにより、約1年後にゴム部分が破裂したものである。古典的なトラブルであるが、現在ではほとんど聞かない。
日本建築設備協会がまとめた、本格的な設備トラブル本である。この後に空調設備トラブル編と、給排水トラブルの続編が発行された。
計測データもあって、換気扇の運転状況を変えたり、浴槽の蓋を閉めたり閉めなかったりして、室内や天井裏各所の温湿度を計測している。
排気方式は、各戸毎に排気する方式と、屋上換気扇で強制排気する方式について述べている。
この時代(昭和58年以前)には、洗剤による泡が下の階にあふれるというトラブルが頻発している。(筆者の会社の設計事例でもあった)
隣地建物は既存建物に対してT字状の配置となっており、トラブルが発生した住戸は、ちょうどT字の付け根の位置であった。
※給水システムを屋外設置して、近隣からの騒音トラブルになった事例は110番に沢山ある。